フィリップ・スタルクの「ビール」の上の方、「泡」の部分に、ビールが飲める場所がある
眺めがよく、カウンターの席がぐるっと20席ぐらい並んでいる。ほとんどの人が昼からビールを飲んでいる。
高すぎないので、近くのビルの様子が良くわかる。百貨店の屋上に仮設のテント小屋がたっているのが見えて気になった。
仮設の牡蠣小屋だった。年末とは思えない静かさと、冬の屋上とは思えないあたたかい空間で牡蠣を焼いた。
東京にいたころには、フィリップスタルクの建物の中に入ってみようという発想にはならなかった。思えば、中野正貴の『東京窓景』でも、生活感のある部屋と黄金のオブジェは対比的に写される。部屋に刺す光とは逆向きに、ビルのガラスからの反射光がオブジェを照らす瞬間が撮られている。
でも、そういう眼差しとは少し違って、特異に見える場所に日常の延長があるということもある。それで、目立つ建物のなかが実は空いてて、妥当な値段でビールが飲める場所になっていたり、そこから見える百貨店の屋上がやはり空いていて、新鮮な牡蠣を2つ多めにもらえるということがある。