奥の壁が、光で淡く照らされている。
壁は、古い教会の瓦礫でできている。
壁は反対側にある窓からの光で照らされている。
それで、ここではシンメトリーが崩される。
梁はXの形にかけられている。
Xの架構はゴシック教会にお馴染みのクロスリブボールト屋根を、少しだけ連想させる。
それに、窓際の列に梁をなくてよいから、窓がちょっとだけ高くなる。
天井が低いエリアは薄暗く、ところどころに天窓があいている。
その天窓の下に、聖遺物であったり、重要なエレメントが置かれる。
歴史的な変遷; 右側が現状だが、戦争の前はとても大きな教会だった。
その古い時代の教会の門を、そのまま使っていたりする。(そのため、この部屋だけ少しだけ天井が高い)
市民の記憶となってきたようなモチーフを丁寧に残していく手つきは、ケルンにあるシュバルツのほかの建物や、歴史地区の保存計画にもみられる。一見地味だけど、ドイツ近代建築のもう一つの面という意味で興味深い。
ちょっと話がそれるけど、シュバルツの作品集を編集したCaruso St Jhon は、ドイツのハンブルクで、建物の保存や再建ということに取り組んでいる。
歴史的なエリアでの再開発が、4つほど動いているようだが、シュバルツのような地味な手つきがドイツの他の都市にも広がるのかもしれない。